ドクター木村の教えて甲状腺
若松河田
豊洲
COLUMN

甲状腺とホルモンにはどんな関係がありどんな病気があるのか

甲状腺はホルモンを分泌する

甲状腺というのは内分泌臓器としては人間の体の中にあるものとして最大のものです。ここからは甲状腺ホルモンが作り出されています。ここから出るホルモンは人間の体内のさまざまな領域に影響を与えます。新陳代謝を活性化させることができるのです。そのため、これが増えすぎても不足しても問題が生じてしまうでしょう。人間だけではなくて多くの生物が甲状腺から出るホルモンを活用しています。たとえばクマが冬眠することができるのもこのホルモンのおかげなのです。ホルモンの量を減らすことによって、新陳代謝を低下させることで冬眠ができるのです。あるいはオタマジャクシがカエルになる際にもこちらのホルモンが関係しています。
このように生物が生きていくために重要な働きをしているホルモンは厳重に調節されています。血中濃度が一定に保たれるようなシステムが人には備わっているのです。TSHという物質があり、こちらが甲状腺を刺激させるとホルモンが産生されるようになります。したがって、ホルモンの血中濃度が増加した場合には逆にTSHは分泌されないようになり、それによって血液中の濃度を下げることができて、適切な値になるのです。
このような調節をしてくれる臓器が健康な人間の場合は維持されているのですが、何らかの原因によってこの臓器に影響が生じてしまうと濃度がおかしくなります。濃度が高すぎてしまったり、低すぎてしまうようになるのです。そうなるとさまざまな症状が出てしまいます。新陳代謝というのは人間の体を維持するための重要な働きをします。この機能がおかしくなってしまうために、いろいろな症状が見られるようになるのです。治療をすれば治すことはできるため、おかしな症状が出たならば病院へ行くことをお勧め致します。

甲状腺の病気とは

甲状腺のホルモンの病気には2種類があります。一つはホルモンが増えすぎてしまう病気です。こちらは新陳代謝を活性化しすぎてしまうことになり、そのような症状が出てくるのが特徴となっています。汗っかきになってしまい夏が苦手になってしまいます。すぐに動悸がしたり、息切れしやすくなります。落ち着きがなくなってしまい、常にイライラしてしまうようになります。食欲が旺盛になるのですが、食べても体重が減りやすくなります。甲状腺が腫れたり、眼球が突出してしまうようになります。手足が震えることもあります。これらの症状が見られた場合には病気の疑いを持ちましょう。このような病気の代表となっているのがバセドウ病です。
一方、ホルモンが少なすぎるために起きてしまう病気もあります。こちらの症状としては、やる気が出なくなってしまったり、皮膚が乾燥しやすくなったり、声がかすれてしまいやすくなります。便秘がちになってしまったり、物忘れが激しくなることもあります。食欲がなくなってしまうこともありますが、体重が増えてしまうことがあります。声が低くなってしまうという症状もあります。こちらの病気の代表となっているのは橋本病です。
どちらの病気についても症状が複数確認できた場合にはすぐに病院で検査を受けるべきでしょう。病気になっていることが分かったならば、治療を受けることになります。早期に治療を受けられれば症状はすぐになくなるでしょう。自分の体の症状には気をつけましょう。

治療方法

甲状腺のホルモンが多すぎる場合にはバセドウ病になってしまいます。この場合の治療方法は内科治療か放射線ヨード治療、外科治療から選ぶことができます。どの方法にも一長一短があるため注意しましょう。
内科治療というのは薬を飲むことによって、ホルモンの合成や分泌を減らすことです。これを2ヶ月間ずっと服用していくことによって、やがては基準値内に収まるようになります。そこでどんどん内服量を減らしていくことになります。ただし、最終的に治療が完了するまでには2から3年程度の時間が必要となるでしょう。薬を服用するだけで良いため簡単な点がメリットとなります。放射線ヨード治療というのはヨードに少量の放射線をつけて、これを内服することによってヨードが集積している臓器を被爆させます。これによって臓器を破壊することで治療します。外科治療というのは臓器を摘出してしまう方法です。
一方、ホルモンが少なすぎてしまう病気である橋本病に関しては治療方法は内服薬を利用するだけで良いです。これによってホルモンを補うことができます。基本的にこれをずっと内服しているだけで症状は改善されていくでしょう。したがって、治療はとても簡単です。
甲状腺の病気を治療するためにはこのように治療方法が存在しています。病院で検査を受けて、病気であることが発覚したならば、治療方法についてよく相談しましょう。特にバセドウ病の場合はさまざまな選択肢が用意されています。それぞれのメリットやリスクについてきちんと理解しておくことは大切です。必要な情報はきちんと教えてもらいましょう。

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